【メディカルネットワークWEB版(医療関係者専用) 】放射線治療科

診療科について

患者さんにとって一番よい方法を目指して治療を行う

放射線治療科の診療方針

当院の“患者主体の医療に徹する”という理念のもと、放射線治療についても地域の中核病院として良質で安全・安心・満足度の高いサービスの提供に努めています。
当院は2009年度より地域のがん診療連携拠点病院の指定を受けました。院内の診療科および地域の医療機関の医師や職員の方々と十分な意見交換のもと、これに相応しい放射線治療を行うため、いっそうの努力が必要と考えております。
放射線治療を受ける方はほとんどががんの患者さんであり、すでに紹介元の診療科において診断が確定しているうえ、治療方針もほぼ決まっています。よって当科での治療は、遅滞なく速やかに行われるよう取り組んでおります。

放射線治療科の特徴

放射線治療においては、特にチーム医療で行われるため、スタッフ間の連携が大事になります。診療体制は、医師2名、医学物理士2名、診療放射線技師4名、看護師3名、医療秘書1名です。それぞれの役割を果たし、連携して患者さんに対してよりよい医療が提供できるよう、診療を行っています。

診療科・病診連携によって地域医療に貢献

地域の医療機関より、当院の各診療科を通じてあるいは直接に、放射線治療のご依頼をいただいています。根治目的の治療では肺がん、食道がん、前立腺がん、頭頸部がん、子宮頸がんなど、術前照射では膵がん、食道がん、直腸がんなど、術後照射では乳がんなどです。そのほか、緩和目的の放射線治療も行っています。
また、2019年にトモセラピーの最新機種を導入したことでIMRT（強度変調放射線治療）が行えるようになり、頭頸部がん・前立腺がん・食道がん・肺がんなどの治療に役立てています。
以前からいわれていることですが、放射線治療を受けるがん患者さんの割合は、欧米に比べ、我が国ではまだ高くありません。放射線治療医の数が少ないこと、放射線治療の認知度が低いことなどが原因といわれています。
院内のカンファレンスや、院外へも発信する当院の食道疾患センターによる集学的治療研究会などへの参加を通して、放射線治療について検討の場を設けています。

リニアックとトモセラピーの2台体制でがん治療に注力

開院以来リニアック1台体制で治療を行ってきましたが、がん治療の充実を目指し、2019年11月よりトモセラピーの最新機種Radixactを導入しました。Radixactの導入は、道内では当院が初めてです。トモセラピーは高精度放射線治療専用機であり、IMRT、SRT（定位放射線治療）などの高精度治療をより積極的に提供することができます。さらに、トモセラピーには体表面での位置照合システムが掲載されており、これにより、より正確な治療ができるだけではなく患者さんの体表への線描き（マーキング）を少なくすることも可能となりました。
トモセラピーを導入し2台体制になったことで、治療可能な患者さんの数も増えました。リニアックについても最新の治療装置への更新を予定しており、さらに幅広い疾患や患者さんの治療にも取り組める体制の整備を進めてまいります。

対象疾患

乳がん、肺がん、頭頸部（耳鼻科）がん、造血器腫瘍（リンパ腫・多発性骨髄腫など）、膵臓がん、消化管がん（食道がん・直腸がんなど）、泌尿器がん（前立腺がん・膀胱がんなど）、子宮がんなど

特殊医療機器

直線加速器：Clinac 21EX （Varian社）、Radixact （Accuray社）
放射線治療専用CTシミュレーター：SOMATOM go.Sim（SIEMENS社）
3次元放射線治療計画装置：Xio （Release 5.10.00. CMS社）、Eclipse（Release 13 Varian社）、Precision （Release2.0.1.1 Accuray社）

診療科データ

実績

2台の放射線治療装置による外部照射件数と患者数の累計（2022年）

	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022
延べ照射件数	8,736	9,132	8,980	8,622	9,142	9,406	9,171
延べ患者数	7,392	7,968	7,887	7,527	8,622	8,541	8,260

2022年の新患内訳

	2022
原発巣別	人数
乳がん	93
肺がん	82
頭頸部（耳鼻科）がん	13
造血器腫瘍（リンパ腫・多発性骨髄腫など）	11
肝・胆・膵がん	26
消化管がん（食道がん・直腸がんなど）	68
婦人科がん（子宮頸がんなど）	20
泌尿器がん（前立腺がん・膀胱がんなど）	56

	2022
目的別	割合
根治ないし準根治照射	約20％
術前・術後照射	約40％
骨転移の疼痛や脳転移に対する緩和目的の照射	40％

臨床研究

根治的放射線治療を施行した子宮頸がん症例の治療成績および有害事象に関連する因子の後向き観察研究

外来

	月	火	水	木	金	土	日/祝
08:40-17:00	○	○	○	○	○	-	-
午前 1診 2診	三浦／堀 -	三浦堀	堀三浦	三浦 -	堀 -	- -	- -

月

火

水

木

金

土

日/祝

08:40-17:00

○

-

午前

1診
2診

三浦／堀
-

三浦
堀

堀
三浦

三浦
-

堀
-

-
-

紹介制・事前予約制です。
1診→リニアック診察室、2診→トモセラピー診察室

所属医師

医療法人渓仁会手稲渓仁会病院

放射線治療科主任部長・放射線治療室室長

堀正和MASAKAZU HORI

診療科・専門

-

資格・学会

日本医学放射線学会認定放射線専門医／日本放射線腫瘍学会認定放射線治療専門医／日本がん治療認定医機構がん治療認定医／日本食堂学会食道科認定医

他所属・認定

-

医療法人渓仁会手稲渓仁会病院

医員

三浦勝利KATSUTOSHI MIURA

診療科・専門

放射線治療科／-

資格・学会

日本医学放射線学会放射線科専門医/日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医

他所属・認定

がん治療に携わる医師を対象とした緩和ケアに関する研修修了