内科(総合内科)
診療科について
ポイント
“診療”“教育”の2本柱で地域を支える総合内科
当科は“診療”と“教育”を中心に、地域住民の方々によりよい医療を提供し、健康増進に寄与することを使命としています。診療と教育、この2つは必ずしも二分できるものではありません。診療の中で教育を、教育の中で診療を行うことで、よりよい医療の追求に努めています。
ゲートキーパーの役割にとどまらない総合内科診療を提供
総合内科は特定の臓器を専門的に診るのではなく、総合的に患者さんを診て各専門科へ紹介する“ゲートキーパー”として円滑な診療を行う科です。当科はこの総合内科としての基本的な機能のほかに、内分泌疾患や糖尿病を抱える患者さんの診療も担っています。 また感染症に対する診療も行っており、肺炎や関節炎などの感染症では、呼吸器内科や整形外科と連携しながら当科で診療を担うこともあります。感染症に対して当科で診療を担うこともあり、当科の重要な役割の1つと自負しています。
どの専門科でも内科的診療能力を発揮できる医師の育成を目指して
当科は診療だけでなく、院内において研修医の育成を担う中心的な科でもあり、初期研修医・後期研修医への教育にも注力しています。
初期研修における当科での研修は2か月間です。外科や小児科など、どの科に進んでも基本的な内科の診療能力は不可欠ですから、2か月という短い期間の中ではありますが、内科的な知見を十分に備えた診療能力のある医師の育成を目指しています。
総合内科での後期研修は2~3か月ほどで、より進んだ内科の総合的な診断能力の獲得をサポートします。腎臓内科や血液内科をはじめ各内科を専門とする医師として、どの専門内科でも必須となる内科の知識・スキルを身につけることができるよう指導を行っています。
私はアメリカに留学した経験から“多様な人を理解するために寛容であること”の大切さを学びました。医師が対峙する患者さんにまったく同じパターンは存在せず、抱える病気はもちろん、バックグラウンドやその人が大切にしていることなど、さまざまに異なります。医師として、いろいろな人がいることを知り、そしてそれを受け入れる寛容さをぜひ若いうちから身につけてほしいと思っています。
ご紹介いただく先生方へ――外来紹介時の目安について
当科はかかりつけ医機能を備えておらず、急性期疾患の患者さんや高次医療の適応のある患者さんを優先して診療しておりますが、外来診療部門では“何科に紹介してよいか分からない”というご相談を受けるケースもあります。
以下のようなケースに該当する場合には、一度当科にご相談・ご紹介いただければと思います。
・不明熱が続いている場合
・症状が複数あり、どの科に紹介すればよいか分からない場合
・診断にお困りの場合 など
日本における高齢者診療の重要性
高齢化がますます進む日本においては、高齢の方のかけ持ち診療が一般的になりつつあります。高齢の患者さんは複数の基礎疾患を持ち、症状が典型的でないことも多いため重症化・長期化することが多く、ご家族や地域のご協力を得ながら医学的・社会福祉的介入を進めていく必要があります。内科以外の診療科であっても内科的知見は欠かせないことからも、高齢者診療では今後ますます内科疾患が占める割合が大きくなるでしょう。
当院は救急・高度急性期病院という性質から、院外の各種専門施設や地域医療機関との連携により診療を進める場合もあります。そのような場合には、できるだけ患者さんが抱える問題を解決し、病状の安定化を確保することを心がけて診療に携わっています。また、人生の最終段階における医療(終末期医療)に関しては、患者さんご自身やご家族と十分に相談し、倫理的で患者さんご自身の意向を最優先した医療内容を組み立てることができるよう努めています。
また高齢者診療は、研修医に対して重点的に指導しているポイントの1つでもあります。高齢化社会が続く限り、もはや自分の専門領域だけを診て診療が完結する時代ではないように感じます。広い視野を持った内科診療ができる医師の育成を目指し、日々診療、教育に心血を注いでいます。
診療体制
外来診療
外来診療部門では、主に急性感染症、発熱性疾患、高血圧症・糖尿病・高脂血症などのメタボリックシンドロームに関連した病気や、内分泌疾患、老年医学領域の診療をしています。専攻医による外来診療に際しては、専任の外来研修指導医を合わせて配置することによって、安全な医療を提供できる体制を整えています。
なお、当院は病診連携を推進しておりますので、病状が安定した患者さんは原則として逆紹介をさせていただくことになっております。
入院診療
入院診療部門では、主に感染症(肺炎、腎盂腎炎、敗血症など)、膠原病、電解質異常、内分泌疾患、高血圧緊急症、原因不明熱、複数疾患を抱える高齢の方のさまざまな内科的疾患など、幅広く診療を行っています。また救急部と連携し、内科的急性疾患の入院診療にも対応しています。
診療科データ
実績
学会・講演
2023年
Mariko Aoyama, Tetsuya Hoshi, Kaito Nakamura, Kaihei Masuda, Keita Hibako, Megumi Sano, Yoshimoto Serizawa, Taku Shimizu, Satoshi Oota. A Lymphoma With no Mass; a 75 Year old Female Diagnosed With Diffuse Large B Cell Lymphoma. 2023 Society of General Internal Medicine Annual Meeting (Colorado, United States)
Satoki Hatano, Kaihei Masuda, Keita Hibako, Mariko Shimazu, Megumi Sano, Koki Kikuchi, Kaito Nakamura, Kimi Kase, Tetsuya Hoshi. Drug Eruption of Acetaminophen With Undiagnosed Sjogren’s Syndrome. 2023 Society of General Internal Medicine Annual Meeting (Colorado, United States)
Sumire Isomura, Kaihei Masuda, Keita Hibako, Mariko Shimazu, Megumi Sano, Tetsuya Hoshi. A Case of Dementia Patient With Malnutrition Secondary to Possible Institutional Neglect. 2023 Society of General Internal Medicine Annual Meeting (Colorado, United States)
谷村 夏姫、中村 海人、窪野 裕太、原田 大輝、菊池 航紀、佐野 恵、芹澤 良幹、星 哲哉.消化器症状を呈した高齢女性の骨盤内炎症性疾患の1例.第297回日本内科学会北海道地方会
伊藤 沙恵、菊池 航紀、火箱 圭太、増田 海平、佐野 恵、中村 海人、芹澤 良幹、星 哲哉.関節液を用いて施行したmultiplex PCR検査からStreptococcus pyogenesが同定された左上腕骨骨髄炎の1例.第297回日本内科学会北海道地方会
金澤 怜佳、中村 海人、土井 崇裕、石川 雄太郎、菊池 航紀、南 亮輔、芹澤 良幹、星 哲哉.肺炎球菌ワクチン接種歴があるにも関わらず侵襲性肺炎球菌感染症の再発を認めた1例.第297回日本内科学会北海道地方会
照沼 友里、中村 海人、松澤 廣希、芹澤 良幹、星 哲哉.胆石イレウスにより糖尿病性ケトアシドーシスを発症した1例.第297回日本内科学会北海道地方会
中村 海人、松澤 廣希、松井 和生、星 哲哉.シクロホスファミドを含む多剤併用療法が有効であったiMCD-TAFROの2例.第67回日本リウマチ学会総会・学術集会
森下 皓旭、中村 海人、火箱 圭太、増田 海平、佐野 恵、松澤 廣希、中川 綾、芹澤 良幹、星 哲哉.暗闇バイクエクササイズ後に横紋筋融解症を発症した1例.第298回日本内科学会北海道地方会
2022年
Rikuto Shinohara, Yusuke Shirai, Yoshimoto Serizawa, Tetsuya Hoshi. A case of non-HIV pneumocystis pneumonia associated with topical steroid use for psoriasis vulgaris. 20th European Congress of Internal Medicine (Malaga, Spain)
中村 海人、佐野 恵、芹澤 良幹、太田 聡、星 哲哉.ライム病罹患後に関節リウマチを発症した一例.第32回日本リウマチ学会北海道・東北支部学術集会
青山 真利子、中村 海人、増田 海平、火箱 圭太、佐野 恵、芹澤 良幹、清水 拓、太田 聡 、星 哲哉.当初非定型肺炎が疑われたが、ランダム皮膚生検でびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の診断に至った1例.第296回日本内科学会北海道地方会
小山 裕基、中村 海人、増田 海平、火箱 圭太、佐野 恵、菊池 航紀、芹澤 良幹、星 哲哉.卵円窩に腫瘤を認め、壁在性感染性心内膜炎が疑われた1例.第296回日本内科学会北海道地方会
小山 裕基、中村 海人、芹澤 良幹、星 哲哉.関節出血により歩行困難を呈した壊血病の一例.医学生・研修医の日本内科学会ことはじめ2022京都
外山 夏樹、中村 海人、芹澤 良幹、星 哲哉.発熱が遷延し診断に苦慮したライム病の一例.医学生・研修医の日本内科学会ことはじめ2022京都
矢ヶ﨑 元洋、芹澤 良幹、星 哲哉、中村 海人、佐藤 登夢.Streptococcus agalactiae 菌血症に眼内炎と感染性心内膜炎を合併した1 例.医学生・研修医の日本内科学会ことはじめ2022京都
福長 美月、菊池 航紀、中村 海人.Capnocytophaga canimorsusによる感染性大動脈瘤を発症した一例.第96回日本感染症学会総会・学術講演会
三木 康祐、中村 海人、芹澤 良幹、星 哲哉.シクロホスファミドを含む多剤併用療法が奏功したTAFRO症候群の1例.第295回日本内科学会北海道地方会 (優秀若手奨励賞)
窪野 裕太、中村 海人、菊池 航紀、芹澤 良幹、星 哲哉.Multiplex PCR検査が有用であったStreptococcus agalactiae髄膜炎の1例.第295回日本内科学会北海道地方会
外来
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
08:40-17:00 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
午前
|
中川 芹澤 |
田治 | 中川 | 中川 田治 |
中川 |
午後
|
中川 | 田治 星 園田 |
中川 | 中川 田治 芹澤 |
中川 清水 |
所属医師
-
医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院
総合内科 部長/臨床研修部 部長
星 哲哉TETSUYA HOSHI
- 診療科・専門
- 内科、リウマチ科/家庭医療科、リウマチ膠原病内科(リウマチ科)
- 資格・学会
- 日本内科学会認定内科医/日本リウマチ学会リウマチ専門医/米国家庭医療科学会(American Academy of Family Physicians:AAFP) 専門医/米国老年医学会(American Geriatrics Society:AGS) 専門医/日本リウマチ学会リウマチ専門医/日本プライマリ・ケア連合学会 プライマリ・ケア認定医・指導医
- 他所属・認定
- 日本プライマリ・ケア連合学会代議員/がん治療に携わる医師を対象とした緩和ケアに関する研修終了
-
医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院
総合内科 部長
芹澤 良幹YOSHIMOTO SERIZAWA
- 診療科・専門
- 総合内科
- 資格・学会
- 日本内科学会総合内科専門医
- 他所属・認定
- がん治療に携わる医師を対象とした緩和ケアに関する研修終了
-
医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院
総合内科 副部長
中川 綾AYA NAKAGAWA
- 診療科・専門
- 総合内科
- 資格・学会
- 日本内科学会認定内科医/日本内科学会総合内科専門医/日本血液学会血液専門医
- 他所属・認定
- 医学博士/がん治療に携わる医師を対象とした緩和ケアの関する研修修了
-
医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院
主任医長
松澤 廣希HIROKI MATSUZAWA
- 診療科・専門
- 総合内科、家庭医療
- 資格・学会
- 日本内科学会認定総合内科専門医/日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門医/日本リウマチ学会認定リウマチ専門医/米国心臓協会BLSプロバイダー/米国心臓協会ACLSプロバイダー/米国心臓協会PALSプロバイダー/日本外傷診療研究機構JATECプロバイダー/周生期医療支援機構ALSOプロバイダー
- 他所属・認定
- がん治療に携わる医師を対象とした緩和ケアに関する研修終了
-
医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院
主任医長
中村 海人KAITO NAKAMURA
- 診療科・専門
- 総合内科、リウマチ、膠原病
- 資格・学会
- 日本内科学会総合内科専門医/日本内科学会認定内科医/日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医/AHA ACLSプロバイダー
- 他所属・認定
- がん治療に携わる医師を対象とした緩和ケアに関する研修修了
-
医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院
医長
火箱 圭太KEITA HIBAKO
- 診療科・専門
- 総合内科
- 資格・学会
- 日本内科学会総合内科専門医/日本内科学会内科専門医
- 他所属・認定
- 厚生労働省認知症サポート医/がん治療に携わる医師を対象とした緩和ケアに関する研修終了
患者さんのご紹介方法
※1 希望医師、希望日時で予約をしてください。
※2 ご予約後、当院にて受付の上、「予約票」を送信いたしますので、「紹介状」と合わせて印刷して患者さんにお渡しください。